川崎市で開業・起業するときの相談先まとめ|無料の窓口と特定創業支援の優遇措置

川崎市で開業・起業を考えたとき、事業計画や資金の相談は無料でできる窓口が複数あります。溝の口エリアにも、融資制度の相談ができる「中小企業溝口事務所」(てくのかわさき3階・駅から徒歩5分)と、女性の起業を支援する「すくらむ21」の2か所があります。

さらに、市が指定した講座や相談を受けて申請すると、株式会社の設立にかかる登録免許税が半額になるなどの優遇措置を受けられます。相談先と支援制度を、目的と場所ごとに整理しました。

目的別・最初に相談する窓口

今の状況まず行く先
何から始めればよいか分からない川崎商工会議所の無料相談(電話予約)
開業資金・融資について聞きたい中小企業溝口事務所(溝の口)または日本政策金融公庫
会社設立時の優遇(登録免許税の軽減)を受けたい特定創業支援等事業を登記より前に確認
店舗を借りて開業したいNOREN(募集時期を確認)
女性で、これから起業したいすくらむ21(溝の口)
技術や研究をもとに起業したいK-NIC

⚠️ 会社(株式会社・合同会社)の設立を予定している方は、先に次の「特定創業支援等事業」をお読みください。 登録免許税の軽減は会社設立前に証明書を取得しておく必要があり、証明書の発行には一定の期間がかかります。登記を済ませてからでは間に合いません。

まず知っておきたい「特定創業支援等事業」

川崎市が指定した講座・相談(下記の11事業)で経営・財務・販路開拓・人材育成の知識を習得し、市に申請すると「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」が発行されます。

⚠️ 1回相談すれば証明書がもらえる制度ではありません。 修了条件は事業によって異なりますが、川崎市は「原則として4回以上かつ1カ月以上の継続的な支援を受けることが必要」と説明しています。証明書の発行にも一定の期間を要します。開業・登記の予定から逆算して、早めに動く必要があります。

この証明書があると、次の優遇措置を受けられます。

優遇措置内容
登録免許税の軽減資本金の0.7%が0.35%に軽減。株式会社の最低税額15万円は7.5万円、合同会社の最低税額6万円は3万円
創業支援資金の申込時期事業開始の6か月前から申込可能に緩和
日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」の貸付利率引下げの対象に
小規模事業者持続化補助金創業型(補助上限200万円・補助率2/3)の対象に

登録免許税の軽減を使うときの注意点

川崎市の公式ページに、次の条件が明記されています。当てはまらないと軽減を受けられません。

また補助金については、川崎市は「証明書は『認定特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書』であり、『補助対象者であることの証明書』ではありません」と注意しています。証明書を取れば必ず補助金がもらえるわけではなく、別途、申請要件の確認と審査があります。

対象になる方

証明書の申請方法

対象となっている11の支援事業

K-NIC起業相談プログラム/かわさき店舗出店支援プログラム(NOREN)/ソーシャルビジネス起業スクール/オンライン創業支援セミナー「みらい海図」/女性起業家ビギナーズ向け「起業プラン作成支援講座」/想いをカタチに「想業セミナー」/かわさき起業家塾/KSPビジネスイノベーションスクール/起業セミナー・インキュベーション事業/つばめ創業セミナー/初めての創業・実践スタートアップ講座

溝の口・高津区で相談できる窓口

高津区内には3か所の窓口があります。溝の口駅・武蔵溝ノ口駅から歩いて行けるのは、てくのかわさきとすくらむ21の2か所です。

中小企業溝口事務所(融資制度の相談)

川崎市の事務所です。 正式には「川崎市 経済労働局経営支援部 中小企業溝口事務所」で、商工会議所や金融機関の窓口ではありません。市役所・区役所とも別の建物にある市の出先窓口です。

川崎市の創業支援資金など、市の融資制度について相談できます。幸区の産業振興会館まで行かなくても、溝の口で融資制度の相談ができるのが利点です。

入っている建物についてはてくのかわさき(川崎市生活文化会館)|アクセス・開館時間・貸室の予約方法にまとめています。会議室・研修室を借りることもできるので、打ち合わせや教室の会場を探している方にも使えます。

すくらむ21(川崎市男女共同参画センター)

女性向けの無料相談会を定期的に実施しています。詳細は後述の「女性の起業を考えている方へ」をご覧ください。

川崎市信用保証協会 北支所 企業支援課

信用保証協会は、中小企業が金融機関から融資を受けるときに保証を行う公的機関です。

市内の主な相談窓口

高津区外にも、目的に応じた窓口があります。

窓口場所電話主な内容
川崎市中小企業サポートセンター幸区堀川町66-20 川崎市産業振興会館7階044-548-4141新事業展開、企業交流、技術・経営情報の提供(9:00〜17:00)
経済労働局経営支援部 金融課幸区堀川町66-20 川崎市産業振興会館5階044-544-1846融資制度の相談、セーフティネット認定(8:30〜12:00、13:00〜17:00)
川崎商工会議所 中小企業振興部川崎区駅前本町11-2 川崎フロンティアビル3階044-211-4114創業・経営の専門家相談(無料・電話予約制)。月〜金 9:00〜17:15(12:00〜13:00を除く)
K-NIC(Kawasaki-NEDO Innovation Center)幸区大宮町1310番 ミューザ川崎セントラルタワー5階研究開発型スタートアップ向けの相談(無料・会員登録制)。10:00〜18:00(最終受付17:00)

上の表のうち、川崎市中小企業サポートセンターと金融課の所在地・電話・受付時間は川崎市「相談窓口のご案内」に掲載されている内容です。なお川崎商工会議所は川崎市の窓口とは別の団体です。市の窓口と併せて、相談先の候補になります。

資金の相談先

創業時の資金調達は、大きく「川崎市の融資制度」と「日本政策金融公庫」の2つの相談先があります。

相談先内容窓口
川崎市中小企業融資制度(創業支援資金など)川崎市が川崎市信用保証協会および取扱金融機関と協調して行っている融資制度相談:金融課(044-544-1846)/中小企業溝口事務所(044-812-1112)/申込:取扱金融機関
日本政策金融公庫 川崎支店 国民生活事業新規開業資金など。個人企業・小企業・創業予定の方が対象川崎区駅前本町11-2 川崎フロンティアビル11階/0570-041403

川崎市の融資制度は、市が直接お金を貸す制度ではありません。 融資を実行するのは取扱金融機関で、川崎市と川崎市信用保証協会がそれに協調する形です。そのため融資の申込先は取扱金融機関になり、金融課と中小企業溝口事務所は制度の相談・認定を担当します。「溝の口の事務所に申し込めば借りられる」わけではない点にご注意ください。

川崎商工会議所(3階)と日本政策金融公庫 川崎支店(11階)は同じ建物です。 どちらも川崎フロンティアビル(川崎区駅前本町11-2)に入っているため、事業計画の相談と融資の相談を同じ日にまとめて回ることができます。なお前述の中小企業溝口事務所(高津区・てくのかわさき3階)はこの建物とは別の場所です。

なお、特定創業支援等事業の証明書があると、公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」で貸付利率の引下げ対象になります。

ただし「証明書を取るまで融資の相談をしてはいけない」ということではありません。 必要な資金額や申込の時期を把握するために、講座の受講と並行して早めに金融機関・公庫へ相談しておくほうが安心です。優遇を使う場合は、証明書の取得時期と融資の申込時期の関係を相談先に確認してください。

店舗を出したい方向け:かわさき店舗出店支援プログラム「NOREN」

飲食店や小売店など、実店舗での開業を考えている方向けのプログラムです。創業者育成講座に加えて、実際の店舗でテストマーケティングができるのが特徴で、特定創業支援等事業にも該当します。

項目内容
対象川崎市内の商店街などの店舗施設を活用して創業したい方/市内での創業後5年未満で既存事業の見直しを検討している方
内容創業者育成講座 全10回 + テストマーケティング
費用受講料20,000円(全10回分)。テストマーケティングは5,000円〜10,000円×2日間程度
定員15名程度(選考あり)
問い合わせ経済労働局観光・地域活力推進部 商業・サービス業振興担当 044-200-2328

令和7年度の募集は終了しています。令和8年度の募集は秋頃に実施予定とされています(費用・定員は令和7年度の内容です)。募集開始のタイミングは川崎市のNOREN公式ページでご確認ください。

女性の起業を考えている方へ(すくらむ21・9月1日から受付)

すくらむ21が主催する「起業プラン作成支援講座」は、川崎市の特定創業支援等事業です。全5回を受講して市に申請すると、登録免許税の軽減などが受けられる証明書が発行されます。

令和8(2026)年度の内容は次のとおりです。

項目内容
対象起業する目標時期が1年以内で、事業のアイデア・やりたいことが決まっている方/起業して5年以内で、基本に戻って起業プランを練り直したい方(いずれも川崎市内在住・在勤・在学の方を優先)
日程全5回・いずれも日曜日。10月18日、10月25日、11月8日、11月15日(各13:00〜16:00)、11月29日(13:00〜17:00)
会場すくらむ21 2階 第1・2研修室 及び 4階 イベントルーム
定員20名(先着順)
受講料6,000円(税込・初日に会場で現金払い)。受講料免除あり(2名まで・要件はすくらむ21のサイトに記載)
保育880円/1名(対象:1歳〜就学前)。9月30日までに要予約
申込期間9月1日(火)10時 〜 9月30日(水)17時すくらむ21の講座ページの申込フォームから

内容は「起業の考え方」「顧客イメージの具体化」「資金計画の基礎」「ビジネスプランの発表」と進み、5日間で事業計画書を完成させる構成です。講師は中小企業診断士が担当します。

このほか、すくらむ21では「女性起業家のための創業・融資無料相談会」(水曜開催)や「起業家無料相談会(女性限定)」も実施しています。

相談前に準備しておくもの

完成した事業計画書は必要ありません。 箇条書きのメモだけでも相談できます。むしろ内容が固まっていない段階だからこそ、早めに相談する意味があります。

次の項目をメモしておくと、相談が具体的に進みます。

特定創業支援等事業の講座を利用する場合は、原則4回以上・1カ月以上の受講が必要なため、開業予定時期から逆算して余裕をもって申し込んでください。

よくある質問

Q. 創業の相談は無料でできますか

はい。川崎商工会議所の専門家相談、K-NICの起業相談、すくらむ21の起業家相談会はいずれも無料です。川崎市の各窓口(金融課・中小企業溝口事務所・中小企業サポートセンター)への相談も無料です。ただし特定創業支援等事業の講座には受講料がかかるものがあります(起業プラン作成支援講座は6,000円、NORENは20,000円)。

Q. 溝の口で創業の相談はできますか

できます。高津区溝口1-6-10のてくのかわさき3階に川崎市の中小企業溝口事務所があり、融資制度の相談を受け付けています(電話044-812-1112)。武蔵溝ノ口駅・溝の口駅から徒歩5分です。また高津区溝口2-20-1のすくらむ21では、女性向けの起業相談会を実施しています。

Q. 1回相談すれば特定創業支援等事業の証明書はもらえますか

もらえません。川崎市は「原則として4回以上かつ1カ月以上の継続的な支援を受けることが必要」と説明しています。修了条件は事業によって異なるため、利用する講座・プログラムごとに確認してください。また証明書の発行にも一定の期間を要します。会社設立の登記前に証明書を用意する必要があるため、開業予定時期から逆算して早めに動いてください。

Q. 特定創業支援等事業の証明書はどうやってもらえますか

市が指定した11の支援事業(講座・相談プログラム)を受けたうえで、川崎市に申請します。申請はオンラインまたは窓口持参・郵送で、提出先は川崎市役所本庁舎9階の経済労働局イノベーション推進部 創業担当です。申請書と修了証等のほか、すでに開業している方は開業届の写し、法人を設立している方は登記事項証明書の写しが必要です。

Q. すでに開業していても支援は受けられますか

受けられます。特定創業支援等事業の対象は「これから創業する方」だけでなく、個人事業主として開業後5年未満の方、法人設立後5年未満の方も含まれます。NORENやすくらむ21の起業プラン作成支援講座も、創業後5年以内の方を対象に含めています。

Q. 会社を設立する前に相談したほうがよいですか

登録免許税の軽減を使う場合は、設立登記の前に手続きを済ませる必要があります。軽減は登記のときに適用されるため、登記後に証明書を取得しても使えません。会社設立を予定しているなら、講座の受講と証明書の取得を登記より前に計画してください。

ご利用前の注意

支援制度の内容・受付時間・募集期間・費用は変更される場合があります。お出かけ前や申込前に、各公式サイトで最新情報をご確認ください。

最終確認日:2026年7月30日

参考:

川崎市 特定創業支援等事業について川崎市 相談窓口のご案内川崎市 かわさき店舗出店支援プログラム【NOREN】すくらむ21 起業プラン作成支援講座川崎商工会議所 無料創業支援のご案内てくのかわさき アクセス日本政策金融公庫 店舗案内

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